サプリメントを手にした人がまず感じること。
「これでイケる!」
そう、サプリメントやプロテインをいざ購入してみるとわかるが不思議とやる気がみなぎってくるものだ!
栄養補助食品を試行錯誤しながら色々試してみてはきたがこの感情が未だに変わらない。
と同時に、いつも感じていたことがもうひとつある。
それは、
「これっていつ飲めばいいんだろうか?」
という思いである。
サプリメントを購入してみるとわかるが、ラベルには細かい成分表示がされており、例えばビタミン系のサプリメントひとつにしても、見たことがないような成分がズラリ!と並んでいる。
栄養学を少しずつ勉強してくるとこのあたりは徐々にわかってくるのだが、しかし肝心のサプリメントの摂取タイミングは記載されていない。
摂取タイミングが記載されていないものがほとんど
これは全くもってどうしてだろうか?
病院ではまず医師の診察を受け、「今日はこの薬を処方しておきますね」と教えてくれる。
更に、薬の飲み方の説明をしてもらい、薬局でも薬剤師からどのタイミングで飲むべきかの説明を受ける。
更に処方された薬の袋には「1日2回朝と夜」「食後」などと丁寧に記載されている。
ここまで丁寧に記載されているにはもちろんちゃんと理由がある。
★他の栄養素との飲み合わせ
★摂取の時間・タイミングによる効果の変化
などが関与してくる為だ。
では、健康食品として位置付けられているサプリメントにはこのような飲み合わせや摂取のタイミングを考慮しなくても良いのだろうか?
健康食品は、その名称からもわかるとおり、「食品」であって「お薬」ではない。
その為、摂取タイミングなどは特に考慮せずに摂取しても理屈的には問題ないということになっている。
しかし、現実的にはそんなことはない。
摂取のタイミングによって効果が大きく変化することもまた真実なのである。
健康食品に分類されるサプリメントやプロテインパウダーなどに細かく飲み方が記載されていないのは、実は薬事法による法的な記載の制限が加わっていることが根底にある。
その為、運動後の方が効果は高いですよ。
という程度の軽めの表記しかなされていないのである。
では、ここでおそらくサプリメントとして最も使用頻度が高いと思われる栄養成分の摂取タイミングとその理由について見ていこう。
ビタミンは大きく分けると以下の2種類のビタミンに分類される。
★水溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)
★脂溶性ビタミン(ビタミンB群全般・ビタミンC)
まず水溶性ビタミンの特徴はその名の通り、水に溶け油に溶けないということ。
この特徴からも油を多く含む揚げ物や、ラーメンなどの食事をする際は水溶性ビタミンの摂取は控えたい。
水溶性ビタミンの代表はビタミンBとビタミンC。
ビタミンB群・ビタミンCの最適な摂取タイミングは、油モノを含む食事の前後2時間以外に摂取することがポイント。
また水溶性ビタミンは過剰に摂取すると、必要以上の部分は体内を巡って尿と一緒に排泄される。
その為、あまりにも過度な摂取でない限り心配は無用。
体外に排出されるタイミングは体内に取り込まれてから約3~5時間程度。
このことからも4時間置き程度に少しずつ水溶性ビタミンを摂取すると効果が高いことがわかる。
水溶性ビタミンの摂取タイミングは4時間程度間隔をあけること!
但し脂っこい食事の前後2時間は控えたほうが良い。
脂溶性ビタミンの特徴は、水溶性ビタミンと同様の仕組みで「水に溶けずに油に溶ける」という特徴がある。
その為、油っこいメニューの食事を取る際の食事中に摂取すると、食品と一緒に体内に取り込まれることになる。
しかし食事中にサプリメントをとるのも、色んな意味で難しい場面も多い。
その為最低でも食後30分以内までには摂取したい。
それでも効果はしっかりあらわれる。
脂溶性ビタミンの摂取タイミングは食事中がベスト!
脂溶性ビタミン同様、食事中に摂取したい成分のひとつにミネラルがある。
ミネラルとビタミンの違いがよくわからない方の為に簡単に解説を加えると、ビタミンは人体を構成する元素の9割以上を占める有機物の仲間。
対してミネラルは残り10%以下の無機質に医学上は分類されている。
「共に人体内では生成されない成分で食事から摂取する必要性のある成分だ。」
尚、ミネラルの大半は骨に含まれている。
【主要なミネラル一覧】
★ナトリウム
★カルシウム
★リン
★カリウム
★硫黄
★塩素
★マグネシウム
このミネラルの摂取タイミングも消化器系が活発に活動している時間帯に摂取するのが良い。
人間は食事をすることで代謝が発生する。
この食事による代謝を食事誘発性熱産生と呼ぶが、この代謝活動の際にミネラルが重要な働きをする。
ミネラルを多く含むサプリメントを摂取する時は、この食事中を狙うようにしたい。
ミネラル類の摂取タイミングも食事中がベスト!
プロテインタンパク質の摂取タイミングに関しては様々な見解がある。
また激しいトレーニングを行う場面や、日常生活の栄養補助として摂取するケースなど場面によっても摂取タイミングが異なる。
その為、個人的な見解となるが、基本的に食事中のプロテインの摂取は避けた方が良い。
これは食事中に摂取される食物からのタンパク質は栄養補助食品による摂取よりも優先される為。
また、一度に栄養素として吸収できるタンパク質の量は制限があり、30グラム程度が目安となる。
その為、食事中、及び食後1~2時間はプロテインパウダーなどの摂取はベストタイミングとは言えないだろう。
食後3時間ほど時間をあけた状態の就寝前などであれば、朝まで食事はないので逆にベストタイミングと言える。
プロテインの摂取タイミングは就寝前がベスト!
但し、激しい筋トレを行うなどのケースでは、また違った摂取タイミングが求められる。
これは筋力トレーニングによってダメージを受けた筋繊維内の筋肉細胞の修復の際にタンパク質が必要となる為。
この修復時に十分なタンパク質が準備できていないと、せっかくのトレーニングの効果も半減してしまうことになり兼ねない。
その為、筋トレを行う場合は、トレーニング直前から少しずつプロテインを摂取し、トレーニング中、トレーニング終了後までタンパク質を切らさないように摂取を心がけると良いだろう。
トレーニング中にプロテインを摂取すると「吐き気」を催す場合は、トレーニング直後のゴールデンタイムを狙うと良い。
筋トレを行う日は、トレーニング直前から直後までに少しずつプロテインを摂取するのがベスト!
健康食品の摂取タイミングは存在する。
これは何年も色々なシーンで話題となってきた課題でもあり、100%正しい見解は未だに明らかになっていない。
しかし、成分の特性から考えるならば、これらの摂取タイミングのルールがそう変化することもまたない。
あるとしたら、新しい副作用などが確認されるケースだろう。
以下に、ベストと思われる摂取タイミングを表としてまとめたのでスポーツアスリートの方は確実にチェックしておこう。
摂取タイミングのまとめ【保存版】 | |
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★水溶性ビタミン類 | 最低でも4時間程度間隔をあけて摂取する。 但し脂っこい食事の前後2時間は控えたほうが良い。 |
★脂溶性ビタミン類 | 食事中に摂取するのがベスト! |
★ミネラル類 | 食事中に摂取するのがベスト! |
★プロテイン・アミノ酸類(通常時) | 就寝前がベスト! |
★プロテイン・アミノ酸類(トレーニング時) | トレーニング直前から直後までに少しずつプロテインを摂取するのがベスト!特にトレーニング直後から30分間はゴールデンタイムと呼ばれる時間帯があり効果が高いとされる |
★カルシウム | 食事前及び就寝前がベスト!(カルシウム成分はアルカリ性の為、食後は胃酸の中和を招き消化を悪くするので避ける) |
★マグネシウム | 早朝がベスト!(マグネシウムは早朝と夕方に低下する。朝一番にしっかり摂取したい) |