マグネシウムという言葉を聞いてイメージするものは何だろう?
例えば燃料電池などに使用されている鉱物の原料としてのマグネシウムをイメージする方もいるだろう。
そして、人体内の様々な活動に関与を補助するミネラル分、栄養素としてのミネラルをイメージする方もいるだろう。
これらは、使用されている環境や役割などが違ってもまったく同じひとつのマグネシウムという成分の事を指す。
ここでは、このマグネシウムが人体に与える影響や、人体への働きかけ。
そしてマグネシウム不足によって発症する可能性のある人体への影響について見ていこう。
一般成人が体内に貯蔵しているマグネシウム量は平均で24グラム~27グラム程度と言われている。
※マグネシウムの体内貯蔵量の平均は24~27グラム程度
これは体の大きさや性別によっても異なるがおおよそこの範囲内の貯蔵量であるのが平均ラインだ。
では、この体内に貯蔵されているマグネシウムはいったいどこにあるのだろうか?
まず、最大のマグネシウム貯蔵量を誇る人体器官は「骨」である。
骨は主成分はリン酸カルシウムという成分で構成されているが、マグネシウムはこのリン酸カルシウムを構成する結晶の内部に含有されている。
※人体内のマグネシウムのおよそ65%程度は骨に含有されている
リン酸カルシウムの結晶は、マグネシウム成分を取り込むことで結晶の弾力性を保持していることからもマグネシウムが非常に重要な役割を与えていることがわかる。
次いで人体内にマグネシウムが多く含まれている器官は筋肉の筋繊維、筋細胞である。
筋肉の内部に存在するマグネシウム成分は、筋肉の働き、運動エネルギーを得る際のATPの作用を補助する為に欠かせない成分。
※筋肉内のマグネシウム含有率は約25%~27%程度
骨の内部と筋肉細胞内に存在するマグネシウムだけで人体のおよそ90%程度のマグネシウムとなる。
マグネシウムは人体の活動を行う際に必要となる酵素の補助を行うミネラル。
人体内に存在するおよそ300程度の酵素成分の働きを助ける効果があり、エネルギー代謝や基礎代謝、食事誘発性熱産生(DIT)などの代謝活動を支えている働きがある。
マグネシウムが仮に不足した場合、体内の細胞外液中のマグネシウム濃度がまず低下する。
次いで、血中濃度が低下したことを察知した人体は、マグネシウム量を調整するために骨に貯蔵されているマグネシウムを溶かし、細胞外液へ送り込み濃度を中和する。
一定ラインまではこの貯蔵されているマグネシウムで補うことが出来るが、更にマグネシウム欠乏を招いた場合は、多くの酵素の代謝に悪影響を与えるようになってくる。
スポーツアスリートの場合は、これらの活動代謝機能の低下は運動パフォーマンスの低下に直結するので実は大きな問題なのである。
代謝活動の能力低下はマグネシウム欠乏がもたらすデメリットだ。