40歳50歳になっても筋肉は本当に太くなるのか?

加齢と筋肉の成長・40歳50歳になっても筋肉は本当に太くなるのか?

★40歳50歳になっても筋肉は本当に太くなるのか?(もくじ)

◆40歳50歳になっても筋肉は本当に太くなるのか?

 トレーニングジムへ通い続けると、明らかにかなりご年配の方でありながらとんでもない筋肉量を保持している方にお目にかかることが結構ある。

 あなたも思わず後姿が桁違いのマッチョでありながら顔を見るとおじいちゃんであり、二度見してしまった経験はないだろうか?

◆太い筋肉を保持している年配者は実在する

 圧倒的な筋量を保持するご年配アスリートは実際に多く存在する。

 かなり昔であるが、にんにく卵黄のCMに出ていたおじいちゃんを覚えている方もいるかもしれない。

 家族団らんの食卓でおじいちゃんが一人、ボディービルのポージングを行っているといういかにも不思議なCMである。

 にんにくを食べているとマッチョになります。

 という趣旨のCMではないのだが、やはり筋肉量にどうしても注目してしまうCMであったことは事実だ。

 実際に太い筋肉を保持している年配者は実在する。

 これは事実だ。

 しかし、このように桁違いのバルクを誇る筋肉を作るには何年も時間がかかるもの。

 ここでは、40代、50代となっても筋力トレーニング次第で筋肉が実際に太くなるかどうか?

 という点に絞って記載する。

◆筋繊維1本1本が太くなる

 筋肉は、筋繊維と呼ばれる繊維質の結合体として構成されている。

 一本一本の筋繊維は目視では確認できないほどとても細い。

 この筋繊維は筋細胞の集合体であり、筋細胞が壊される際の修復過程において筋細胞は強くたくましく成長し、筋繊維は結果的に太くなる。

 その為、例えば、腕がとにかく太いスポーツアスリートがいたとすると、そのアスリートは一本一本の筋繊維が太いということになる。

 筋力トレーニングでは、この一本一本の筋繊維を太くすることで筋断面積を増やし、筋出力を高めることで今まで挙上する事ができなかったウエイト(重り)を挙上することを可能にする。

 ここで確認しておきたいことはトレーニングの度に筋繊維が増えるわけではないという点。

 筋繊維がどんどん増えていくならばたしかに、一本ずつの太さが微量に変化しただけでも筋肉全体のサイズはアップするだろう。

 しかし、我々人間の筋肉は、筋繊維1本1本が太く成長する形で筋断面積を高めている。

 筋繊維の数が変わらないのであればもちろん筋肉はトレーニングで刺激を加えることでしっかりと成長することになる。

 年配者であっても筋肉が成長し太くなるのは、このように筋繊維が太くなるからであり、これは40代、50代、そして60代のアスリートであっても筋肉を太くすることができることを意味している。

 「40歳50歳になっても筋肉は本当に太くなるのか?」

 もしこう問われたならば、答えは間違いなく「YES」

 幾つになっても理論上は可能である。

◆筋繊維の絶対量は加齢とともに減少する

 筋繊維は間違いなく年齢に関わらず、自分が現在耐えうる負荷以上の負荷を加えていくことで成長し太くなる。

 しかし、ここでひとつ確認しておかなければいけない点がある。

 それが筋繊維そのものの減少について。

 筋繊維は加齢とともに減少していくことが医学的に解明されている。

 統計的には30代半ば近くまでは筋繊維の量の顕著な減少は見られない。

 しかし30代半ばを過ぎると筋繊維の数は少しずつ減少し、その後40歳代、50歳と徐々に減少し続けていく。

※筋繊維は加齢とともに減少する

 この際、筋繊維の減少がはっきりと確認されやすい繊維が、「速筋繊維」と呼ばれる筋繊維。

 速筋繊維は色が全体的に白身を帯びていることから白筋繊維とも呼ばれる筋繊維群で、瞬発力を必要とするようなスポーツでは欠かせない筋繊維。

 逆に若干赤みを帯びている遅筋繊維(赤筋とも呼ばれる)は大きな減少は確認されない。

 速筋繊維は見た目に表れやすいまさしく筋肉だ!と思わせるようなごつごつした部位に多く配置されており、この速筋繊維の減少は太い筋肉群を作りづらくすることも意味している。

 ある程度のベテラン選手の場合は、既に筋肉がある程度太く鍛えられていることが多いことから、筋繊維が減少する年代に突入すると、見た面を太くすることは若い頃よりも困難を極めるようになってくる。

◆筋繊維の成長・ポイントのまとめ

 筋繊維は間違いなく幾つになっても成長を続ける。

 しかし加齢に伴い成長のしやすさは困難になることもまた間違いのない事実。

 ここでもう一度ポイントをまとめておこう。

ポイントのまとめ!
◆筋繊維は年代に関係なく太くすることが可能
◆30代には筋繊維の数の減少が見られるようになる
◆減少する筋繊維は主に速筋繊維である
◆速筋繊維は見た目として太く見える筋肉に多い
◆40台50台になると、残された筋繊維を太くすることで筋肉を総合的に太くすることになる
◆ある程度既に太い筋肉を保持している場合は、更なるバルクアップはより難しい