スポーツアスリートにとって「プロテイン」の存在は誰もが一度は気にかけるもの。
プロテインとは直訳すると「たんぱく質」のこと。
横文字であることからステロイドなどの筋肉量を増強するようなものというイメージを持たれている方もいるかもしれないが、プロテインは単純にたんぱく質を粉末状、もしくはタブレットタイプにした製品である。
※プロテイン=タンパク質
販売されているプロテインには、このたんぱく質の他にBCAA分岐鎖アミノ酸やビタミン類が添加され複数の栄養素を同時に摂取できるような加工がなされているものも多い。
では成長期の子供の場合でも食事以外でプロテインの摂取は必要だろうか?
一般的には成長期の子供にプロテインなどを摂取するのは控えたほうが良い。という見解が多いように思う。
何となくプロテインという言葉が子供にとっては危険性の高いような先入観がある場合や、そのような先入観はないにしても、やはり出来る限り普段の食事からたんぱく質を補うことが重要という考えがある為だ。
これは最もな話ではある。
食事から必要な栄養素をもし摂取できるのであれば、世の中にある栄養補助食品は正直なところ必要ない。
しかし、本当に全ての栄養素の必要量を食事のみから摂取することを考えると、あまりにも多くの食品を食べなくてはいけなくなる。
特に筋肉の元ともなるたんぱく質の必要摂取量を食事のみから摂取するのはかなり困難であることが見えてくる。
成長期の子供が摂取すべきたんぱく質摂取量の目安は最低ラインで体重×1.5グラムと言われている。
※成長期の子供のたんぱく質必要摂取量=体重×1.5グラム
しかしこれはあくまで最低ラインでの話。尚、この目安となる体重×1.5gというのは一般成人男性と同じ比率である。
更にスポーツをしている子供の場合はこの数値は高くなり最低ラインで体重×2グラムのたんぱく質の摂取が必要であると言われている。
※成長期でかつスポーツアスリートの場合=体重×2グラム
体重40キロのスポーツアスリートの場合では単純に40×2で80グラムのたんぱく質の摂取が必要となる。
これだけの量を食事のみから、例えばお肉から摂取しようなどと考えると、相当量のお肉を食べなくてはいけなくなる。
これは結果的に脂肪分の取りすぎにもつながり、かつ「お財布」も痛い話。
現実的にはお肉のみから必要量を摂取することは難しい為、複数の食材から総合的にたんぱく質を摂取していくことになる。
しかし、豆腐や納豆、ツナ缶などといった複数の食品類から総合的にたんぱく質の摂取を行ったとしても必要量を摂取することはやはり難しい。
その為、もし子供がプロテインの摂取を検討する場合は、食事で補い切れないたんぱく質量を計算し、その不足分のみをプロテインなどの栄養補助食品を使用する。
このような栄養摂取の検討基準を設けることが望ましい。
尚、我が家では栄養バランスに配慮された子供でも飲みやすいココア味のジュニアプロテインを利用している。
一般用のプロテイン製品は美味しいとは言えない。その為、一般のプロテインを飲み慣れている方がジュニアプロテインを飲んでみると甘みが強めであるため少し馴染みにくいかと思う。
尚、我が家ではジュニアプロテインを牛乳とミックスして飲む他、ホットケーキやおやつの材料に混ぜる等してたんぱく質の必要摂取量を補えるようにしている。
結局のところ子供であっても大人であってもプロテインを摂取したからと言って筋肉質になる訳ではない。
これは卵を食べているだけで筋肉隆々にならないのと同じこと。
繰り返しになるが、プロテインとは単純にたんぱく質の事である。
「子供だから・・・・」
「危険そうだから・・・・」
という考えのみでプロテインの摂取を危険視することは筋違いな話。
あくまで必要摂取量を基準として不足すると思われる栄養素は栄養補助食品の導入を検討する。このようなスタンスで改めてプロテインの必要性を考えてみると良いだろう。
スポーツアスリートの成長期の食事についてまとめておこう。
わかりやすくポイントだけをまとめると以下の3つが成長期の食事のポイントと言える。
【成長期の食事3つのポイント】
1.食事が基本
アスリートは食事も重要な自己管理のひとつ。必要な栄養素は出来る限り食品から摂取する。
2.魚介類を積極的に摂取
成長ホルモンの分泌を促すアルギニンは成長期には欠かせないアミノ酸。この時期に成長ホルモンが不足するようなことだけは避けたい。
3.栄養補助食品の利用
明らかに不足しているタンパク質やカルシウムは栄養補助食品からの補給も検討する。
他にも多くの要素が考えられるが、人生の中で2回しか訪れない「成長期」という限定条件においては、この3つのポイントは是非とも覚えておきたいポイントである。