筋トレを行う際の呼吸法で一番適している呼吸法は何だろうか?
ここまで来ると、大半の方は「息を吐く方法が適している」と考えるはずだ。
息を止めると最高の筋出力を得られるのは確かではある。
しかし、やはり安全性という観点からはとてもお勧めできるものではないし、実践してみようとも思えない。
しかし、ここでまだひとつ疑問に残っていることがある方もいるのではないだろうか?
そう、「息を吸いながらのトレーニングの可能性」である。
この実証に関しては、簡単な実験で理解できるので、今すぐ自分でも試してみて欲しい。
では簡単な実験のスタートだ。
実験は以下の手順で行う。
まず胸の前で手のひらを合わせ背筋を伸ばす。この際、親指と親指がぶつからないように少しずらす。
合わせた手のひら同士を押し合う。
これだけだ。
この際、「1.息を吐く2.息を吸う3.息を止める」この3つのパターンの呼吸をしながらそれぞれ試してみてよう。
これは、どの方法が一番力を入れやすく感じたかの体感チェックの実験だ。
実験が終わってから以下の項目を見て欲しい。
1.息を吐く
息を吐きながらでも力は十分に入れられると感じたのではないだろうか?
2.息を吸う
息を吸いながらの場合は、明らかに力が入りにくいと感じられたのではないだろうか?
3.息を止める
最も力が入ったのではないだろうか?
上の項目は一般的な呼吸法の違いによる体感の指標。
実際の筋肉の出力レベルも同様になる。
息を止める呼吸法が安全性からも適していないとなると後は2択。
「息を吸う」「息を吐く」これはどちらも呼吸を止めないので安全性はほぼ同じ。
であれば3つの中でも2番目に出力が高い「息を吐く」がヘビーウエイトを扱う筋トレの呼吸法では理想系であると言える。
2番目に出力が高い「息を吐きながらのトレーニング」が良い
トレーニングジムにあるウエイトトレーニングマシーンの多くには呼吸法に関する説明が記載されている。
その多くはプレス時に息を吐き出すとなっている。
しかし、背中を鍛えるトレーニングマシンなどで引く動作(プル系の動作)を伴うマシンの場合は「息を吸いながら」と記載されていることが多い。
ラットプルダウンやローイング系のマシンがその典型的な例だ。
これらのプル系のマシンでは、ウエイトの軌道に沿ってトレーニングをすると胸郭が最終的に広がっていく姿勢となる。
この際、胸郭が広がりに伴って横隔膜も持ち上がり肺も膨らもうとする。
一連の動きの中で膨らもうとする肺に対し、息を吐くというのは人体の構造上無理がある話し。
この場合は、3番目の出力となる息を吸うが選択されることになる。
※プル系のマシントレーニングの呼吸法は息を吸いながらが基本